半導体関連市場の動向
半導体パッケージ関連材料市場は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、スマートフォンや自動車関連の需要が減少しています。しかし一方で、ホームステイやテレワークの普及に伴い、PCやタブレット端末、ゲーム機、Wi-Fiルーターの市場が好調に増加しています。
またPCや基地局、サーバーといった通信インフラ関連分野の好調で、IC系やメモリーなどの半導体需要が増加。特にFC-CSP基板の伸びは好調です。今後もIoT化の普及に伴い、半導体需要がさらに増加し半導体市場が拡大していくと予想されています。ここでは半導体関連市場(※)に動向についてまとめて紹介しています。
プリント基板関連市場の動向
プリント基板関連市場は、PCや基地局やサーバーといった通信インフラが好調ではありますが、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、自動車関連やスマートフォン市場の落ち込みにより縮小している品目があることから微減するのではないかと予想されています。
熱対策関連市場の動向
シンタリングペースト(加圧タイプ)や低放熱フィラー(アルミナ)などの品目が大幅に伸びています。しかし主な需要先の自動車市場は縮小により横ばいが予想される市場です。今後はEV、HVの需要の増加やSiCデバイス、高性能CPUの採用などに伴う高放熱のニーズが高まり、市場が拡大していくと期待されています。
中でもEV、HVのCPU向けのモジュールやリチウムイオン二次電池向けの需要増加に期待されています。
実装関連装置市場の動向
半導体パッケージ基板やモジュール基板向けへの投資が好調なこともあり、微増が規定されています。今後も大型投資が続き、市場は堅調に拡大すると予想されています。
銅張積層板市場の動向
半導体市場の中で注目されている市場の一つである銅張積層板は、データセンターや5G基地局向けの投資が活性化していることもあり市場が拡大。2020年の米中貿易摩擦の影響で、5G基地局基板設計変更や、ITベンダーのデータセンター向け投資の減少により大きな伸びはなかったものの、2021年以降5G関連に設備投資が回復し、市場拡大が活性化されています。
2023年ごろまでは5G基地局への投資が続き、その後サーバー向けが大幅に増加すると期待されています。
FC-BGA基板市場の動向
通信機器やCPUといった高性能な多ピンロジックなどで採用されているFC-BGA基板は、サーバーやゲーム機などの高性能化に伴い、基板サイズの拡大、多層化が増え単価が上昇しています。一時は新型コロナウイルス感染症の影響で需要は落ち込んだものの、5G投資やデータセンター、基地局で採用されている通信機器のプロセッサー、サーバー用CPUの需要は増加しています。
さらにステイホームやテレワークの影響で、PCやゲーム機向けにプロセッサーが好調です。ただし、今後PC向けの市場の伸び悩みによるチップセットの落ち込みが懸念されています。
シンタリングペースト市場の動向
耐熱性や放熱性に優れる半導体チップを接合するシンタリングペーストは、加圧タイプと無圧タイプの2種類です。加圧タイプは主に自動車や発電所などのパワーモジュールに使用されています。2017年ごろから欧米の自動車メーカーで採用され、市場は本格的に拡大しています。
無圧タイプは放熱性に優れていることから5G基地局での採用により市場の伸びが期待されています。今後は鉛規制の強化によりパワーICやセンサーデバイスのチップ接合、Cuクリップ接合材などで採用が広がっていくと予想されています。
半導体市場は新型コロナウイルス感染症や米中の貿易摩擦の影響で一時期は大きな伸びはなかったものの、今後は5G基地局やデータセンターなどの投資が続くと予想されていることから、半導体市場は拡大していくことが期待されています。
Beyond 5G・6Gの開発においては、総務省からもさまざまな産業や社会活動の基盤となる次世代の情報通信インフラと言われている通り、2019年からNTTがSony、米Intelと協力して6G開発を進めることを発表。超高速・大容量化に伴い、新たなウェアラブル機器の開発も期待されています。
拡大傾向にある市場において大きな不良を未然に防ぐためにも、X線検査装置の導入は慎重に選ぶ必要があります。下記ではおすすめのメーカーを紹介していますので、合わせてご覧ください。