プリント基板の壊れる原因とは
精密機器を安定して動作させるためのプリント基板は、精密であるが故に壊れる原因も多くあります。
プリント基板が壊れてしまう主な原因は、電子機器への取り付け方が正しくないことや、プリント基板自体や実装している部品に異常が発生した場合など、実装している部品が多ければ多いほど壊れるリスクは高くなります。さらに人の手によるはんだ付けが多いほど、はんだ付けのバラつきが出てしまい、プリント基板そのものが壊れてしまう原因となります。
プリント基板が壊れてしまう主な原因
経年劣化
プリント基板が壊れてしまう原因で特に多いのは経年劣化です。正しく電子機械を使っていたとしても、突然動作しなくなったり、不調が続き動かなくなってしまうケースが多く、これはプリント基板の劣化が原因であることが多いです。
経年劣化は、ブリント基板の故障というより、基板に実装されている部品の寿命やハンダの剥がれ、ホコリなどによるものです。なかでも経年劣化が著しい部品は、蓄電池や電源の役割を果たしている電解コンデンサなどがあります。充電が必要なスマートフォンなどは、使用に伴って少しずつ充電できる容量が少なくなっていきます。これはコンデンサの劣化によるものです。
間違った使い方
プリント基板を実装している電子機器は精密であるが故に、水漏れなどの誤った使い方でショートをおこし簡単に壊れてしまいます。これは水に含まれている不純物やプリント基板上のホコリやゴミなどにより電流の漏れが発生し、最終的にICの動作異常を引き起こして故障してしまうためです。
そのため濡れた手でスマートフォンを使ったり、雨の中で通話や操作したりすることで、基板が壊れてしまうことがあります。
過電流が生じる
電源が入ったままプラグを抜いてしまうと、過電流が発生しプリント基板に実装されている部品が壊れ、基板が故障します。
主にコネクターがつながっているICやトランジスタなどの部品は許容電圧と電流が決まっているので、電源を切らないままプラグを抜き差しすると、プリント基板内に電圧と電流が発生しプリント基板が故障してしまいます。
コンデンサや抵抗などの部品はすぐに破損することはありませんが、電圧に弱い部品が実装されている基板は注意が必要です。
基板腐食
プリント基板の腐食が原因で、プリント基板が壊れてしまうケースがあります。プリント基板は、銅箔のパターンがあり、長年にわたって湿気により腐食すると、回路に電流が流れなくなってしまいます。プリント基板の腐食を防ぐためには、湿度の高い場所に放置をせず、素手で触れないように取り扱いをすることが大切です。
静電気破壊
プリント基板は水以上に静電気に弱い特性があります。精密機器に帯電している静電気が放電し、過電流や発生する熱によってICチップなどの部品が破損すると、プリント基板が壊れてしまいます。そのためプリント基板は、静電気が発生しないように設計、運搬、仕様などを考慮することが必要です。
プリント基板は繊細な構造のため、経年劣化や、誤った使い方、精密機器の保管場所や環境など、壊れる原因が多くあります。プリント基板が壊れる原因を理解し精密機器を正しく使うことでプリント基板が壊れてしまうリスクを低減できます。
多層基板やビルドアップ基板が多様化され、壊れる原因は今よりももっと複雑化する未来が待っています。品質にこだわり、適切なX線検査装置をうまく活用することこそ、会社の未来を創ると言っても過言ではありません。
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